シリーズ企画「招へい研究者に聞く!!」

シリーズ企画 「招へい研究者に聞く!!」 同志社大学 橋之口道宏先生

京都次世代エネルギーシステム創造戦略では、最先端の研究者を国の内外問わず招へいし、研究開発を進めています。
シリーズ「招へい研究者に聞く!!」では、担当コーディネータ(CD)が研究室を訪問し、招へい研究者の先生方に研究内容、近況などをお伺いします。



第1回 同志社大学 特定任用研究員 橋之口道宏先生
今回、紹介する招へい研究者は「次世代エネルギー変換・貯蔵システム構築のための革新的新材料創成」のテーマで、
アンモニア直接形燃料電池用電極触媒の開発を担当されている同志社大学 特定任用研究員(准教授)の橋之口先生です。(担当コーディネータ(CD)の小倉が先生にインタビューしました。)

CD:まずお名前とご出身をお願いします。
橋之口先生:橋之口 道宏 (はしのくち みちひろ)、出身は鹿児島です。

CD:招へい研究者として同志社大学に着任される前は、どこにおられたのですか?
橋之口先生:大阪大学科学教育機器リノベーションセンター(現:科学機器リノベーション・工作支援センター)の助教でした。

CD:専門分野や得意分野はどういった領域ですか?
橋之口先生:専門は表面化学、得意な分野は物理化学です。

CD:当プロジェクトでの研究内容はどのようなものですか?
橋之口先生:現在、特に原発事故の後は、再生可能エネルギーを水素エネルギーに転換して貯蔵・輸送し、燃料電池等を用いて電気エネルギーに変換して利用する、水素エネルギー社会の早期実現が望まれています。そこで、我々は水素キャリアとして輸送・貯蔵の点で水素より優れたアンモニアに着目し、アンモニアから高い効率で電気エネルギー変換する固体酸化物形燃料電池(SOFC)の要素技術開発を行っています。

CD:アンモニアに着目されているわけですね。具体的にはどのような研究でしょうか?
橋之口先生:従来のSOFCの燃料極で用いられているニッケル(Ni)触媒はアンモニア燃料に対して活性が十分でなく、アンモニアSOFCを実現するためには、高い活性を示す燃料極触媒を開発することが必要です。我々は、Niと比較して、アンモニア燃料に対して数倍の活性を持つNi-Fe、Ni-Mo合金触媒を開発しました。今後はこれらの開発で得られた知見を基に、これらの高活性燃料極触媒の構造・組成の最適化を行い、さらなる大容量・高効率化を目指します。アンモニア燃料電池の技術開発をリードし将来の事業用発電システムの実機開発に繋げていきたいと考えています。

CD:先生が所属しておられる稲葉研究室の雰囲気はいかがですか?
橋之口先生:一人ひとりが明確な目的をもって、自由な雰囲気で、のびのびと研究を進めています。先生や学部や修士の学生間での積極的な意見交換もなされており、活気あふれる研究室です。

CD:昨年度に冊子「燃料電池が切り開く水素エネルギー社会」の発行にご協力いただきましたが、先生の目から見て出来はいかがでしたか?
橋之口先生:現在の日本の将来のエネルギー問題と、その解決への方向性が分かりやすく書かれていますので、エネルギー関連に興味を持っている方は是非読んでいただきたいと思います。私自身も勉強になりました。また、ビジネスモデルを生み出す「オープンイノベーション」の動きに関する記述には、基礎研究に携わる者として、出口を意識した研究をすることの重要性を再認識させられました。

CD:当プロジェクトがFC EXPO 2015に出展した際、説明員をお願いしましたが、説明員を経験されて、難しかったことやおもしろかったことなど感想をお願いします。
橋之口先生:今回、我々の研究しているアンモニア固体酸化物燃料電池の触媒開発について説明しました。多数の方が私たちの行っている研究内容に興味を示していただき、楽しい時間を過ごさせていただきました。しかし、大きな展示会ですので、いろいろな分野の方が来られており、どのように話を切りだすか、判断が難しかった面もありました。

CD:FC EXPOではTOYOTAの燃料電池自動車MIRAIに試乗されましたが、いかがでしたか?
橋之口先生:運転席ですが、少しスポーティーかな、という印象を持ちました。ハンドルは少し小さめに作られており、シートもホールド感が良かったです。シフトの配置は、ハイブリッドと同じでしたので、違和感はなく走り出せました。ほとんど音のないEVと異なり、走行中は燃料電池システムが小さいながら音が出ていたように記憶しています。やはりモーターを使っているので、加速するときに息継ぎがなく、なめらかな加速でした。残念ながら、制限速度までしか出せなかったので、あくまで推測になりますが、それ以上でも十分な加速が期待できました。高速道路を走ってみたかったですね。同乗された説明員さんが仰っていましたが、MIRAIは乗った人が普通(もちろん高級車です)の車を運転している感覚を持てるようにつくれられているとのことです。私もそのような感覚を持つことができました。

CD:ところで、趣味や興味を持っていること、好きな食べ物などはどのようなものでしょうか?
橋之口先生:好きな食べ物は焼肉なのですが、最近は食べに行く機会がありません。趣味はマラソンですが、最近は子育てが忙しく、こちらもサボっております。

CD:最後に何か一言お願いします。コーディネータに望むことなど何でも結構です。
橋之口先生:アンモニア燃料電池の技術の基盤技術を創出し、将来の事業用発電システムの実機開発に繋げていきたいと考えています。ご協力お願いします。

CD:どうもありがとうございました。イクメンの橋之口先生でした。

橋之口先生の研究内容についてはこちら(PDF 583KB)もご覧ください。

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